『料理のコツのこつ』辻留
序文・幸田文 装幀・佐野繁次郎
昭和48年重版/婦人画報社
辻留 辻嘉一・著
日焼けによる経年シミ・日焼け有
カバー上部少切れ(1cm程二か所)有
222p/185×130mm/ハードカバー
現在、単行本は絶版。文庫改訂版は入手可
「白地の中央に卵黄が正円形におさまり、黄と白の対照も鮮やかで、目をみはるような美しさがこの半熟玉子の身上です。(中略)食塩だけの方は、素顔の美女の頬が連想されるほどなめらかで、天下の美味とは、このようなもののことだとさとられることでしょう」(半熟玉子)
懐石料理・辻留の辻嘉一氏が「料理のコツのこつ」を伝授した一冊。
いわしの辛煮、ぶどう豆、木胡椒の時雨煮、蛸のやわらか煮、玉子豆腐、丸揚げ豆腐、海苔ポテト、焼うになど、読むだけでおいしそうな料理の数々もさることながら、時間をかけてゆっくりと素材を向き合う、その喜びと充実感が伝わってくるような辻氏の語り口がすばらしい。
情報が飛び交う忙しい毎日に疲れた時におすすめの心安らぐ料理エッセイとしてもぜひどうぞ。