くらしの工夫
『暮しの手帖』関連本
装幀・佐野繁次郎
昭和17年/生活社
扉ページシミ有・カバー付・経年によるシミ少有・少日焼け
「婦人の生活の研究のかいらん板(第三)」「読者ハガキ付」
タテ21・ヨコ15cm/ソフトカバー/現在絶版
『暮しの手帖』初代編集長・花森安治が、戦争中にかかわったとされる婦人誌。
パピリオでともに働いていた佐野繁次郎が装幀を手がけ、花森さんはペンネーム「安並半次郎」で「きもの読本」を執筆。また『暮しの手帖』の写真を創刊号から長年撮っていた松本政利もカメラマンとして参加しています。
本号は「くらしの工夫」というわけで、吉屋信子「大東亜の生活表現」、林芙美子「京都の借家」、藤原あき「しまつの夏着」、森田たま「あこがれの美」、佐野繁次郎「色の量」等の誠に豪華な原稿が並びます。大政翼賛会に関係のある出版社から出されていたこともあり、戦時色の強いプロパガンダ的な記事もあり。
レイアウト、文字組、内容(「古ゆかたでのれん」等)など、のちの『暮しの手帖』を彷彿とさせる本書は(読者ハガキのレイアウトも『暮しの手帖』そっくり)、戦時中の活動を詳しく語ることのなかった花森安治を知る上で外せない、資料的にも価値の高い一冊です。