今日は、『ももいろのきりん』の中川夫妻による絶版絵本『おばあさんぐまと』中川季枝子・作 中川宗弥・画、フレメの刺繍図案・日本語版 デンマークのクロスステッチ1『ハーブと薬草』Hardangermonstre、大正時代に日本政府留学生としてパリの料理学校コルドン・ブルーで学んだ筆者によるお料理レシピ&エッセイ本『愛の料理集』東佐与子、木工実用書『木彫り』福留雅江 ハンドクラフトシリーズ 、を追加しました。
東佐与子さん(明治25年生まれ)の本は、当店でも時々取り扱いますが、フランス料理の豊かさが味わえる本格レシピに加え、1920年代(いわゆる「狂乱の時代」ですね)のパリの雰囲気を感じさせるエッセイがなかなかおもしろい。
ちなみに東さんとほぼ同じ時期にパリを訪れた作家には、森茉莉(明治36年生まれ)、林芙美子(同じく明治36年生まれ)、吉屋信子(明治29年生まれ)などがいますが、彼女たちのパリ・エッセイもうっとりおしゃれで楽しいです。
明治に生まれ、大正末~昭和初期にかけての青春時代に、舶来の雰囲気をめいっぱい吸い込んだこの世代のエッセイを読むと、昭和初期というのはほんとうにハイカラな時代だったのですねえ、としみじみ思います。
またそれつながり?ではないですが、今回、福留雅江さんの『木彫り』を改めて眺めていたら、佐藤雅子さんを思い出しました。
たしか『私の保存食ノート』にあったかと思いますが、佐藤さんのご趣味も木彫りのしゃもじ作りだったようで、それも今回の福留さんを思わせるような本格的かつ格好いい「木彫り」だったように思います(佐藤さんの書籍、以前はすべて絶版でしたが、いまはほとんどの本が復刻され、文庫にもなっているようですねえ。いいことです)。
佐藤雅子さんも明治41年生まれですし、明治生まれの女性のハイカラは、今より資金力・生まれ・才能・努力が必要だったせいもあるのか、芯があって骨太で、ちっとやそっとではない「胆力」みたいなものがひしひしと感じられ、ひ弱な昭和後期生まれからすると驚き憧れる思いです。
と余計なことをつらつらと書いてしまいました。どうぞご覧くださいませ。