4月28日(金)くもり
朝、トトを見送った後、中川季枝子さんの『子どもはみんな問題児。』を読む。
保育園の先生もしていた季枝子さんは、ほんとうに子どもが好きで、子どものをいいところを大きくクローズアップして見せてくれて、そんなつもりで読みだしたわけではないのだけれど、読みながらぼろぼろ泣く。ひとつひとつの文章が短く、本を読むひまもないくらい忙しいお母さんでも、さっと読めそうなのもいい。
そういえばトトが、この間、大声でなにかを暗唱していた。なにかなと聞いていたら突然「なかがわりえこ!」と叫んだので、訊ねたらどうやら国語の教科書らしい。
それは『ぐりとぐら』の人よ、知ってる? と云ったら、驚いた顔で、
「『いやいやえん』の?」
と訊いてきた。そうそう。そうよ。初めて習う文章が中川さんのだなんて、いいわねえ。
晩ごはん:鶏のニンニク醤油焼き、トマトとブロッコリーのサラダ、にんじんの甘辛炒め、豆腐、ごはん、いちご。
4月27日(木)くもり夜から雨
夕食の仕込みを途中までしてから、トトのスイミングの体験へ。
「はいっ、では大きな声で、こんにちはっ!」
ここの先生は、みんなすばらしく元気がいい。そして相手の目を見て、大きくしっかりと笑いながら話す。前のところより、体育会系度若干高めな雰囲気。
腰にヘルパーをくっつけて、もぐったり、飛び込んだり、バタ足をしたり。表情が硬くみえたから、ダメかなと思ったのだけれど、
「どう?どっちがよかった?」
着替えながら訊いたら、今日のほうがいいとのこと。へ~。
お友だちもこっちがいいと云うので、びっくりしたまま入会予約をして帰ってくる。
今夜は夕ごはんのあと、疲れてたらり~んと眠りモードに入るだろうなあと思ったらやっぱりそうで、
「おかあさんのお膝に行きたい」
わかめのようにぐねぐねしたから急いで歯ブラシの仕上げ磨きをして、ベッドへ連れていく。
晩ごはん:ハンバーグ(トトのだけチーズのせ)、スズキの刺身、イワシの刺身、豆苗の胡麻油和え、ブロッコリーのネギ油のせ、ごはん、いちご。
4月26日(水)くもり
トトを学校へ迎えに行き、歩いて帰ってくる途中、同じクラスのお友だちとそのお母さんに会う。
「同じ組だよね?」
お母さんに云われ、トト、恥ずかしそうに笑いながら小さくうなずく。
「また明日ね~」
別れるとき手を振ったら、むこうの子もハニカミながらうれしそうに手を振ってくれた。一年生さん。
晩ごはん:鮭のムニエル、ニンジンと大豆の炒めもの、里芋と大根の味噌汁、タコとキュウリの酢の物、オクラのネバネバ、湯葉、ごはん、いちご。
4月23日(日)晴れ
みんなで図書館へ行き、一時間ほどかけて本を選び、ごはんを買って図書館の日よけ屋根の下でお昼を食べる。
昨日の雨がうそのようないい天気。日差しがもう夏みたいで、とても日焼けしそうだけれど、日陰に入るとまだすこし寒い。
ご飯のあと、日当りのいいベンチに移り、トトはマスカット・ゼリー(ナタデココ入り)、ヒイさんとわたしはコーヒーを飲んで温まる。
今日はトト11冊、わたし10冊、ヒイさん1冊借りた。欲張って借りたけど読めるかしらん(ヒイさんは読めないからと一冊しか借りなかった)。
晩ごはん:焼き餃子(ヒイさんとトトが皮から作った)、イワシのお刺身、わかめの刺身、オクラとトマトのサラダ、冷奴、ごはん、いちご。
4月20日(木)晴れ
夕方からトトのスイミングの体験へ。前、一度、やったときは、おかあさんと離れて、知らないオトナ(先生)と危険な目に遭うなんて「ぜったいに入らない!」となったのだけれど、今回は、どうかしら。
バタ足クラスになったようで、もぐったり、伸びたり、一時間みっちり泳ぎ、着替えるとき
「どう?」
と訊いたら、
「どっちでもいい。Kちゃんは?」
嫌だとも入りたいとも云わず、一緒に体験した友だちのようすを気にする。来週、違うスイミングをもうひとつ試してから決めることにした。
晩ごはん:ささ身の海苔巻き(チーズを巻いたやつも作ってみたのだけれど、チーズがはみ出て失敗)、里芋と大根の味噌汁、トマトとキュウリとオクラのサラダ、冷奴、ごはん、いちご。
4月18日(火)朝は雨、それから晴れる
この間の週末、ヒイさんが「マンカラ」のボードを、発泡ボードで作ってくれた。
わたしは「マンカラ」、知らなかったのだけれど、トトが学校で覚えてきた遊びで、東南アジアかどこかの古くからあるゲームらしい。ルールがシンプルで、勝負が早くつくから、せっかちな大人(わたし)でもなかなか楽しめる。
学校では、おはじきを使っているようだけれど、数が足りないので、うちでは海で拾ったシーグラスを使ことにした。
晩ごはんのあと、まずはヒイさんとトトがやり、トトが負けた。次にわたしとトトがやったのだけれど、あと少しで勝てるかも! というところでトトが負けてしまい、悔しくってわんわん泣く。慰めながらトイレに連れていき、そのまま寝かせる。
小学校へ行き始めて、早起きが始まり、慣れない場所で緊張して、最近のトトは晩ごはんの後、よく泣く。楽しくなってつい遊んでしまうけれど、もう少しごはんの準備を早くして、早めに寝かせなければ。反省。
晩ごはん:フリッタッター(じゃがいも・にんじん・かぼちゃ・ほうれんそう)、鶏肉のにんにく胡椒焼き、かぼちゃの煮物、ごはん、いちご。
4月16日(日)晴れ暑い
今日もいい天気。朝から三回、洗濯機をまわし、シーツを干す。
午後、トトの友だちとその妹来る。なわとび、スクーター、竹馬、ホッピング。三人でどたばた走り回りながら、楽し気に遊ぶ。
小学校が始まり、トト、疲れが出始めたのか、最近は晩ごはんを食べるとすぐ眠くなるようで、わたしの膝に来たがる。
晩ごはん:ハンバーグ、小松菜と油揚げの炒め物、にんじんの甘辛、湯葉、いちご。
4月15日(土)晴れ暑い
朝、出かけるとき路地を抜けたら、Mさんが玄関先で何かを干していた。
「これね、今朝、拾ってきたの」
わかめらしい。にこにこしながら、ながーいわかめを、折り畳み式の布団干し(広げるとコの字になるタイプのやつ)にカーテンのようにだら~んと並べて干している。
「今がね、いちばんいい時期なのね。これを越すとね、硬くなっちゃうの」
最後の「硬い」と云ったところで、すこし顔をくしゃっとイヤそうな風にして、教えてくれる。
夏みたいな日差しのなか、公園へ行き、トト、遊具で遊ぶ。ヒイさんは花粉症でだいぶつらそう。薬局で薬を買って来て、飲んでもらう。
晩ごはん:豚の野菜巻き、かぼちゃの煮物、里芋のスープ、豆腐、いちご。
4月14日(金)晴ればれ
窓の外の桜が満々開。階段を登りながら、きれいだなあと思い、下りながらまたきれいだなあと思う。ヒイさんも同じなようで、二階から下りてくるたびに、すごいねえ、いいねえ、きれいだねえ、などとぽそぽそっと静かに云う。
晩ごはん:じゃがいもと豚肉のカリカリ焼き、お麩のお出汁、ハーブサラダ(トトはミニトマト)、冷奴、ごはん、いちご。
でこぽんが終わってしまった。いつも行くスーパーになくて、とてもさびしい。また来年まで、これから始まる桃とぶどうと梨を楽しみに待とうとみなで話す。
4月13日(木)晴れ
初夏のような天気。午後、トトとKちゃんを連れて公園からうちへ帰る途中、水路に沿ってスミレがびっしりと一列になって咲いていた。濃い紫色のスミレ。
「うわあ~いいねえ~」
子どもたちが摘みたがったけれど、摘んでいる最中、すこしでもバランスを崩したらあっという間に落ちてしまいそうで(ちいさい子は、頭が大きい)やめる。
陽がたっぷりとあたった公園には、たくさんの親子がいて、子どもたちはみんな薄着でなかには半袖で走り回っている子もいて、ああ、ほんとうにいい天気。
晩ごはん:タラのムニエル、ミネストローネ、新玉のバター蒸し、トマトとブロッコリーのサラダ、ごはん、いちご。
4月10日(火)雨
なんだか最近、雨降りばかり。今日もトト、カッパを着て出ていく。
幼稚園に入ったときに買った黄色いカッパ。あのときは大きすぎて、リュックをしょってこれを着てフードをかぶると、ちいちゃくて不思議な亀の妖怪が雨のなかぴちゃぴちゃと歩いているみたいだったけれど、今はもうカッパの方が小さいくらいで、見た目もかなり人間っぽくなってしまって、うれしいのだけれど少しつまらない。
晩ごはん:鶏肉のにんにく醤油焼き、里芋と大根のスープ、オクラとトマトのサラダ、冷奴、ごはん、でこぽん。
4月8日(日)雨
朝から雨なので、トトと家からお花見をする(ヒイさんは出張)。
階段のいちばん上に座り、障子をあけて、ガラス窓の向こうに見える桜を眺めながら、お菓子を食べる。お茶(トトは、水)も飲む。
「きれいだねえ~」
と、トトは云うけれど、こうやって座ると、桜はちょっとしか見えない。それでも
「きれいだねえ~」
お菓子を食べながら時折、思い出したみたいに外を見て、また云う。
雨はずっと降り続け、桜の花は満開で、静かなしずかな水槽の底のような日曜日でした。
晩ごはん:ハンバーグ、大根と油揚げの味噌汁、ニンジンの甘辛炒め、プチトマト、ごはん、豆腐、でこぽん。
4月5日(水)晴れ
入学式。
小学校へ行き、先生の話を聞き、たくさんの学用品を受け取り、帰ってくる。
帰宅後、珈琲を入れ、教科書に名前を書きながら、学校どうだった? と訊いたら、ぴょんぴょん跳ねながら
「楽しみ~明日から行くんだよね~」
とニコニコ。
人見知りであまり人に慣れない(特にオトナに。ヒイさんとわたしに似た)子なのだけれど、学校はとても楽しみらしい。明日の用意をランドセルに入れ、何度もうれしそうに開け閉めする。
わたしは明日からいつもより一時間早起き。がんばらなくちゃ。
晩ごはん:鶏ささ身の海苔巻き、里芋と大根の味噌汁、ほうれん草の胡麻和え、メカブ、湯葉、ごはん、でこぽん。
校庭の桜は三分咲きといったぐあいでした。
4月3日(月)くもり
丸木俊の自叙伝『女絵かきの誕生(朝日選書)』を読む。
「静かにすずりをおろすと、丸い太筆には、すでに墨がたっぷりとふくませてあり、うまそうな味がするようです」(「消えなかった墨」)
体まるごとで書いているみたいなのびのびとした文章。読んでいると、気持ちがぱあっと広くなる。いいなあ。画家さんはなぜ文章のうまい人が多いのだろう。