カテゴリー: 郷土玩具

「災いを食べてくださる」 うそ(土焼き) 岡崎天満宮

2017年が明けて、はや三週間(弱)。
今年も何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、今年の年明けのこと。
帰省を兼ねて、生まれ故郷、愛知県岡崎市のとある神社に初詣に出かけました。ここで正月中にだけ授与されるという、すこし変わった縁起物(お守り)があると聞いたのです。
ということで以下、心覚えを兼ねたレポートです。
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よく晴れた1月2日。
市街地を抜け、すこし上り坂になった細い道を曲がり、「岡崎天満宮」(→リンク)の駐車場に車をとめました。
こじんまりとした境内は、混み過ぎも空き過ぎもせず、ちょうどいいくらいの初詣客で賑わっています。のんびりとした雰囲気の参拝客が多いのは、ほとんどが近所の方だからでしょうか。

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この神社で正月中に授与されているのは「うそ」という縁起物です。
「うそ」とは、全国の天満宮で授与されている鳥の形をしたお守りのこと。大きな口が災いを食べてくれると信じられ、「替えましょ、替えましょ」と云いながら「うそ」を変えっこする、いくぶん不思議な神事「鷽替え」(→リンク)でも知られています。
一般的な「うそ」は、総本社・太宰府天満宮のものを含め木彫りですが(→リンク)、なんとここのは土焼き! 全国でも珍しい「うそ」なのです。
ちょろちょろと流れる水音を聞きながら手水をとり、境内を見まわしましたが、「うそ」はどこにも見当たりません。

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家族連れのあとから階段を上り、お参りを済ませ、向かって隣の授与所へ向かいます。
すると、ありました!
「鷽」と書かれた白い袋の横に、黒い顔をした、丸い目の奇妙なものが、にょきっ。
おー。 つるりとした頭とトボけた顔がなんともいえません(冒頭写真参照)。鳥、というよりなにかの妖怪のようでもあります。
袋はホッチキスで口を留めてありました。
「なかを見て、選んだりって…できますか?」
巫女さんに訊いてみましたが、やはりそれは無理とのこと(そりゃ、そうだ)。

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厄除けと合わせて一体いただき、先ほどの手水舎の前に戻ると、ああ、なんてことでしょう。
さっきは気がつかなかった本殿へと向かう階段脇。鳥の形をしたちいさな石像の足元に、たくさんの「うそ」がひしめき合っています。
「うそ塚」と石像にはありました。

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単独でもかなり目立ちますが、大量に集まると、また違った迫力があります。
前から後ろから、夢中で集合写真を撮っていたら、
「うそ、ってなに?」
「なにかね、かわうそ?」
まわりの人が遠巻きにひそひそと話し始めました。
「うそ」についてはもちろん、この神社の「うそ」がいくぶん変わった「うそ」であることも、あまり知られてはいないようです。

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後ろから。背中はみどり色。

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上から。ほんとにトリ?

一年間おまつりした「うそ」は、次の年の1月7日に「鷽替神事」を行い、この「うそ塚」に納めるのだとか。
お正月らしいパリッとした空気にみちた境内には、梅の木が何本もあり(名札付き)、早咲きの梅も咲いていました。ちいさいけれど気持ちのいい神社。
帰省する楽しみが、またひとつ増えたお正月でありました。

オマケ
その一、授与所の神棚には、十二支を従えた「うそ」が。
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その二、学問の神様だけあって、ありがたい鉛筆も授与されておりましたよ。
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