カテゴリー: knit

Kfb 2目の編み出し増し目(表目)

Kfbは「Knit into front and back of stitch」の略です。前の段の一目に二回、針を入れて二目増やす技法で「2目の編み出し増し目」と呼ばれます。日本の編み図ではあまり見かけませんが、海外のパターンでよく使われる増し目です。

この作り目を使った当店のパターン
トップダウン&とじはぎなしの「羽衣セーター」

当店のパターン販売ページ→編み図SHOP


Kfbの編み方

1. 表目を編み、編んだ目は落とさずに針にかけたままにする(※ 画像では分かりやすいように糸の色を変えています)

2.そのまま目の向こう側に右針を入れ、表編みをする。


3.前の段の一目から二目の表編みが編みだせました。


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オリジナル プロジェクトバック(イラスト・杉本さなえ)入荷のおしらせ


少し前からインスタグラムでおしらせしていた杉本さなえさんのイラスト入り、当店オリジナル・プロジェクトバックができあがりました。

編み物をする女の子、羊、毛糸玉…詩的でストーリーを感じさせる、とてもすてきなイラストです。作品でお馴染みの黒と朱の色を出したかったので、がんばって二色刷にしてみました。

ちなみに「プロジェクト・バック」とは、編み物をされる方はお馴染みの言葉だと思いますが、編みかけのプロジェクトを入れたり、外に持ち運んで編んだりするときに使うバックのこと。
編み物好きはいくつもプロジェクトを抱えてしまいがちなので、プロジェクトごとにあると便利なものでもあります。

すこし大きめサイズの巾着バック(A4書類が余裕で入る大きさ)なので、トートバックなどのバックインバックにしたり、旅行の荷物を仕分けたり、ニッターさん以外にもおすすめです。手芸好きへのちょっとしたプレゼントにもぜひどうぞ。

杉本さんのイラスト、以前からとても好きで、なにかお願いできたらと思っていたので、今回、夢が叶ってとてもうれしいです。たくさんの方に使っていただけるバックになりますように。
よろしくお願いいたします。

▽商品ページはこちら▽
オリジナル プロジェクトバック(イラスト・杉本さなえ)https://www.hirunotsuki.jp/product/projectbag

編み物パターン「Korpokkur コロボックル」について

子ども用の耳あてつき帽子「コロボックル」、編み図パターンの販売をはじめました。

「Korpokkur コロボックル」パターン(DL版・日本語)


比較的ぴったり目の帽子なので、お散歩にはもちろん、自転車通園のヘルメットの下でも大丈夫。ほんのりと尖ったトップがポイントです。

じつは当初、耳あての先に紐をつけ、あご下で結べるようにしようか迷ったのでした。が、子ども用衣服に紐は怖いので(うちの子も園から口を酸っぱく云われていた…そして新米母はビビっていた…)紐ナシにしてあります(子ども服の安全基準についてはこちら「政府広報オンライン」 → LINK)。

サイズはベビーから子どもまで5つあります。
お子さんによって似合うサイズが変わると思いますので、できあがり参考サイズをご覧の上、お選びください。
また下記ページで、編んでくださった方が作品を投稿してくださっているので、ご覧いただくとメージが湧きやすいかもしれません。
→ インスタグラム 
→ ラベリーのパターンページ
また今回も、テストニットで国内海外問わず、たくさんの方にお世話になりました。とても心強かったです。改めまして、ほんとうにありがとうございました。
楽しんでいただけたらうれしいです。

当店の印刷版(日本語)販売ページはこちら↓

「Korpokkur コロボックル」パターン(DL版・日本語)

DL版(日本語)販売ページはこちら↓

「Korpokkur コロボックル」パターン(印刷版・日本語)

また少しですがキットもご用意しました。こちらのページからご覧ください↓
https://www.hirunotsuki.jp/product/korpokkur_knt

編み物パターン「Nさんのヨークセーター」について

しばらく前から書いていた編み物パターン「Nさんのヨークセーター」、先週末にやっとこさラベリーにはっぴょういたしました。また本日から当店でもご購入いただけるようになりました。

パターン・ページにも書いたように、これはもともと母(Nさん)に編んだセーターです。
Nさんは60代後半専業主婦です。5人の子どもを育てましたが、外で働くのも、家のことをするのもあまり得意でない人です。
でも物事の明るい面を見るのがたいへん上手。だから彼女のまわりには、いつも人がたくさん集まってきます。小さなころから、我が家には彼女に話を聞いてもらいたい人(いま思うと、ちょっと不思議な人もいました)が、入れ代わり立ち代わりやって来ていました。

そんなNさんは、明るい服が似合うし、本人も好きだと云います。サンプルの色も、
「ぱあっとした色がいいの。暗い色だとほんとのおばあちゃんになっちゃうでしょ」
と彼女が選びました(でも、花模様が入っているので、落ち着いた色で編んでも、充分キュートだと思います)。

中細糸の一本取りなので、少しばかり根気が必要かと思います。でも手間がかかる分、出来上がりは格別。ふわっと軽くて着やすいセーターになると思います。

サイズは5つ、ご用意しました。
日本人女性のMがサイズ2あたりになりますが、胸囲を参考にお好みのサイズをお選びください。トップダウンで編んでいくので、お好きな丈まで編むことも可能です。
サイズ感は、ピッタリ過ぎずオーバーサイズでもなくのちょうどいい感じになっていると思います。インスタグラムやラベリーで編んでくださった方の写真をご覧いただくと、雰囲気が分かりやすいかもしれません。
→ インスタグラム 
→ ラベリーのパターンページ
また今回のテストニットでは、国内海外問わず、たくさんの方にお世話になりました。改めまして、ほんとうにありがとうございました。

楽しんでいただけましたらうれしいです。よろしくお願いいたします。

当店の印刷版(日本語)販売ページはこちら↓

「Nさんのヨークセーター」パターン(印刷版)

当店のダウンロード版(日本語)販売ページはこちら↓

「Nさんのヨークセーター」編み図パターン(ダウンロード版)

Crochet Provisional Cast On かぎ針で編みつける別糸の作り目

Crochet Provisional Cast Onは、別糸とかぎ針を使い、棒針に編みつけていく作り目です。鎖編みの裏側を拾っていく「別糸の作り目」よりも、簡単かつ手軽にできる便利な作り目でもあります。

この作り目を使ったパターン
Nさんのヨークセーター


当店のパターン販売ページ→編み図SHOP

Crochet Provisional Cast Onの編み方

1. 糸端を少し残した別糸で、スリップノットを作り、これをかぎ針に入れます。

2.かぎ針を右手、棒針を左手に持ち、糸を棒針の下にくぐらせ、かぎ針を糸にひっかけてスリップノットから引き出します。

3.棒針の上になった糸を、棒針の下に入れなおします。

4.棒針にかかった目が、必要目数になるまで2~3を繰り返します。

5.ほつれ止めのため、そのままかぎ針で鎖編みを数目編み、糸を切り、切った糸を鎖編みの輪に入れてひっぱり、止めます。

7.作品の糸に変え、そのまま編み図の通り編んでいきます。

別糸のほどきかた
1.
別糸の鎖編みの最後の目をほどきます。

2.ほどいた別糸をひっぱるとするすると解けるので、一目ずつ棒針にとっていきます。


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→ 当店のパターン販売ページ

編み込みミトン「星々」

ミトン「星々」の編み図をアップしました。

編込みミトン「星々」の編み図(ダウンロード版)

使用毛糸は、編込みミトン「RIN」「花々」と同じく、パピーのブリティッシュファインです。ウールの素朴さとワイルド感がありながら、それほどチクチクしない細めの中細です。

カフは掛け目と減らし目で作る模様編みになります。この模様は日本の記号編み図で編んでいくと、どうしても最後に1目ずれてしまいがちなので、ここの編み方は文章で説明してあります(この模様編みのずれ問題も、いつかまたチュートリアルでまとめたいのですが…)。

編み込み模様は日本の編み物本でよくある方眼のチャート形式です。
今回はSとM、ふたつのサイズ入り。一般的な日本人女性よりすこし大きめのサイズなので、手のひらまわりの長さを参考に選んでください。親指にマチがあるタイプなのもあり、手がすこし大きめの方(わたしです!手の小さい男性並み…)でも、Mサイズはぴったりかと。

またあわせて「Backward Loop Cast On 巻き増し目」と「Make 1 (M1,M1L,M1R) ねじり増し目(ループ左上、ループ右上)」のチュートリアルも作ってみました。

Backward Loop Cast On 巻き増し目

Make 1 (M1 )(M1L ) (M1R) ねじり増し目(ループ左上 )(ループ右上)


Knitting Tutorials チュートリアル
使っていただけたらうれしいです。

Make 1 (M1 )(M1L ) (M1R) ねじり増し目(ループ左上 )(ループ右上)

Make 1 (M1)(M1L)(M1R)は、日本で「ねじり増し目」と呼ばれる増し目です。編地の途中で渡り糸(シンカーループ)をすくい、それをねじるように編むことで目を増やす方法で、海外のパターンでは時にねじる向きを指定することがあります。
たとえば「M1L」と略される「Make 1 Left」は、ねじったループの左側(Left)を上にする「ねじり増し目(ループ左上)」で、図で示すと以下のようになります。


「M1R」と略される「Make 1 Right」は、ねじったループの右側(Right)を上にする「ねじり増し目(ループ右上)」で、図で示すと以下のようになります。


また単に「M1」とある場合は「Make 1」という意味で、ねじる向きがどちらでもよい「ねじり増し目」となります。
M1LとM1Rでは目の傾く向きが変わります。どちらをどんな時に使うか、これという正解はないのですが、編地の端でこの操作をする場合、ねじった目を含んだ編地が右上に増えていく場合は「M1L」、左上に増えていく場合は「M1R」を使うと、穴が空きにくく編地が平らになります(参考画像以下)。好みによってまたはパターンの指定によって選んでください。




この作り目を使ったパターン
ピコットミトン、編込みミトン「星々」など



当店のパターン販売ページ→編み図SHOP


Make 1 Left(M1L)ねじり増し目(ループ左上)の編み方
1. 増やしたい目の手前まで編み、右針で目と目の間の糸(シンカーループ)を下からひっかけます。


2. 右針にひっかけた目の手前から左針を入れ、そのまま編まずに目を左針に移します。




3. 左針に移した目の向こう側に右針の尖端を入れ、表目を編むように糸をひっかけ、引き出します。




4. ループの左側が上になったねじり目ができました。


Make 1 Right(M1R)ねじり増し目(ループ右上)
1. 増やしたい目の手前まで編み、右針で目と目の間の糸(シンカーループ)を下からひっかけます。


2. 右針にひっかけた目の後ろから左針を入れ、そのまま編まずに目を左針に移します。




3. 左針に移した目の左側から右針の尖端を入れ、糸をひっかけ、引き出します。





4. ループの右側が上になったねじり目ができました。



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当店のパターン販売ページ

当店の編み物パターンSHOP

Backward Loop Cast On 巻き増し目

Backward Loop Cast Onは、主に編んでいる途中、右針に作っていく作り目で日本では「巻き増し目」と呼ばれています。


↓この増し目を使ったパターン↓
編込みミトン「星々」(ダウンロード版)
編込みミトン「花々」(ダウンロード版)
ピコットミトン
↓パターン販売ページ↓
編み図SHOP

1. 増やしたい目の手前まで編み、左手の指(わたしは人差し指を使っていますが、親指でも)に糸を写真のように巻きつけ、右針の尖端で手前から向こうにすくう。




2. 指を抜き、糸をひっぱる(ここで強くひっぱり過ぎると次の段で編むのが大変なので、あまりひっぱりすぎない)。


3. 作り目(巻き増し目)が一目できました。必要目数になるまで1~2を繰り返す。


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当店のパターン販売ページ

編み込みミトン「花々」

ミトン「花々」の編み図をアップしました。

編み込みミトン「花々」の編み図(ダウンロード版)

使用毛糸は、編込みミトン「RIN」と同じく、パピーのブリティッシュファインです。ウールの素朴さとワイルド感がありながら、それほどチクチクしない細めの中細です。

今回は、ぽっぺの赤い田舎の女の子(とてもかわいい)をイメージして作ってみました。赤と白で編みましたが、黒×白または茶色×白などシックな色で編んでもまたキュートかと思います。
編み込みの際は、渡り糸が長くなるので、編地の後ろでそっと編みくるみながら編んでください。



花の図案は、両手を並べると模様が続くようになっています。また親指の模様は左右で違い、こちらも本体側とつながって見えるようデザインしました。
ノスタルジックな丸い形にしたかったので、ミトンと親指のトップはメリヤスはぎで閉じ合わせるスタイルです。



またカフは、掛け目と減らし目で編んでいくすかし模様を使っています。編地の端に表情をもたせるため、作り目はケーブル・キャスト・オンを使ってみました。チュートリアルを作ってみたので、こちらもよかったらご覧ください。

Cable Cast On ケーブル・キャスト・オン

当サイトでは印刷版ダウンロード版の二種類をご用意しましたが、どちらも日本語のみなので英語版がご入用の方は、こちらの「ラベリーのページ」でご購入ください(ラベリーでのパターン購入法はこちらのページ「ravelry パターン購入方法」で解説しています。デザインが若干変わりましたが、手順自体はほぼ同じです)。

少ない毛糸量で編めるので、花の少ない季節のプレゼントにもぜひどうぞ。楽しんでいただけたらとてもうれしいです。

Cable Cast On ケーブル・キャスト・オン

Cable Cast Onは、「Knitted Cast On 編みながら作る作り目」と同じく、編んでいる途中で作ることができる作り目です。
名前の通り、端がケーブルのようになり「Knitted Cast On 編みながら作る作り目」より伸縮性の少ない、しっかりとした編地に仕上がります。
(この技術を使ったパターンは→編込みミトン「花々」

1. 左針に編み始めの目(スリップ・ノット)を作ります(編んでいる途中で増し目をする場合は、増し目の前の目まで編みます)。


2. 右針で表目を編むように糸をひっかけ、スリップ・ノットから引き出します。




3. 左針にかかった目(スリップ・ノット)はそのままに、右針で引き出した糸を左針に移し、糸を適度に引きしめます。




2目できました。ここまではKnitted Cast On 編みながら作る作り目と同じ手順です。


4. 1目めと2目めの間に右針を入れ、表目を編むように糸を引き出します。





5. 3と同じく、左針にかかった目(スリップ・ノットと2目め)はそのままに、右針で引き出した糸を左針に移します。




3目できました。次は新しくできた目とその次の目の間に針を入れ(画像矢印)、必要な目数になるまで4~5を繰り返します。

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ノステピン(糸巻き棒)の使い方と選び方

毛糸玉(中央から糸を引き出すタイプ)を作るには、専用の糸巻き器があると便利です。
でも、毛糸の量が少ない場合、たとえば色別にちいさな毛糸玉を作ったり、残り糸をきれいに巻いたりしたい場合、そんな大掛かりな道具を使わなくても、ノステピンと呼ばれる糸巻き棒(→ 当店で取り扱っているノステピン)、または代用品となる棒があれば、大丈夫。これを使えばきれいな毛糸玉が、簡単に作ることができます。
毛糸を巻く方法、ノステピンの選び方などを以下にまとめてみました。

ノステピンを使った毛糸玉の作り方(中央から糸を引き出すタイプ)


ノステピン(または短い棒)に糸端を少し残しながら、毛糸を巻いていきます。
(中央から毛糸を引き出したい場合、ここで残した糸端が、最初に引き出す糸になります。また残した糸端が邪魔になる場合は、ノステピンの溝に巻いておくか、マスキングテープなどで仮留めすると作業がしやすくなります)


作りたい毛糸玉の大きさ(タテ)より少し短い長さまで、棒に対して横に毛糸を巻いていき、


その後、棒を少しずつまわしながら、糸を斜め45度に敷き詰めるように巻いていきます。このとき、できるだけやさしくふんわりと巻くようにすると糸が傷みません。



ぜんぶ巻けたら毛糸玉に対して糸を横に巻き、端をはさみ留めて、



棒からすぽっ。
はい、できあがり!

ノステピン(糸巻き棒)の選び方


すべりが良く、ガザガザした素材で作られていないものを選ぶのがポイントです。すべりがよくないと、外す時にひっかかってしまい、せっかく作ったきれいな毛糸玉が崩れてしまいます。

また先にいくにしたがって、ほんの少し細くなっていくものを選んでください。細くなっていないと、出来上がった毛糸玉がうまく抜けず、最悪の場合、もう一度やり直しなんてこともあります。

棒の長さは、長くても30cm未満くらいが適当です。あまりに長いと、手首を大きく回さなければならず大変&結構、疲れます。毛糸の太さ、作りたい毛糸玉の大きさによって、必要なノステピンの長さは変わってくるので、用途によって変えてもいいかもしれません。

当店で取り扱っているノステピン

シェットランド・ハップ・ショールの今と昔

ハップ・ショールの歴史と編み方を取り上げた新刊『Shetland Hap Shawls, Then and Now シェットランド・ハップ・ショールの今と昔』(2006年刊行)の取り扱いを始めました。

ハップ・ショールとは、シェットランド諸島で古くから、少なくとも150年以上前から編まれていた日常使いのショールのこと。
北の寒さを防ぐ防寒着として、また赤ちゃんのおくるみとしても使われていたというハップ(=「暖かな覆い」「暖かく包むもの」という意味の言葉だそう)は、シェットランドに同じく伝わる繊細でゴージャスな伝統ニット「シェットランド・ショール」とは違い、少し太めの糸を使ってざくざくと気軽に編まれているのが特徴のひとつです。

働く女性たちの日常着として編まれたハップは、その構造もとてもシンプルです。
「センター」と云われるまんなか部分は、基本的にガーター編み。そのまわりをレース編み(多くの場合「Old Shale」日本でいう藤編みが使われます)と縁編みで囲むという形が一般的でした。
簡単に素早く編めるように工夫された、まさに普段使いにぴったりなショールなのです。

カジュアルなガーター編みと、かわいらしいレース編みで編まれたハップのデザインは、現代の私たちから見ても魅力的です。
装飾的過ぎず、モダン過ぎない。機能的で美しいデザインといったらいいでしょうか。
そう感じる人は海外でも多いのか、近年、ハップ・ショールをアレンジしたパターン(Kate DaviesさんのA Hap for Harriet・2014年やJared FloodさんのQuill・2012年などなど)が次々と発表され、人気となっています。

地元の女性たちの日常着であったハップは、島外で取引される最高級のシェットランド・レースとは違い、記録があまり残されてきませんでした。



今回取扱いを始めた新刊『Shetland Hap Shawls,Then and Now シェットランド・ハップ・ショールの今と昔』は、そんなハップの知られざる歴史と編み方を、19世紀からの貴重な写真とともにひもといた一冊です(2006年刊行の本書は、ハップに光を当てた先駆的一冊でもあります)。

著者のSharon Miller(シャロン・ミラー)さんは、Rowan等で作品を発表しているイギリスのニット・デザイナーさん。彼女が古い赤ちゃん用のハップに出会ったことから、この本は生まれました(このハップのパターン・編み方も本書に掲載有)。



ニット・デザイナーらしく、ハップのパターン(編み方説明)も、たっぷりと収録。
ビンテージ・ハップから、四角形ではない変形ハップ、ヴィクトリア朝時代のハップをもとにしたパターン、レース部分の伝統的な色見本レシピ、伝統的な縁編みなど、ハップについて知りたい方にはもってこいの内容になっています。
また編むときのコツや「伝統的な編み方」「現代でよく使われる編み方」についてもきちんと解説されていて、うれしい限り。


長らく品切れで、入手困難だったこの本。
今回、ひょんなことから在庫が見つかったとのことで(シャロンの息子さんが倉庫で見つけたとか!)、急いで取り扱いを依頼しました。
詳しくはこちらの商品ページでも解説していますが、在りし日のシェットランド・ニッターたちの写真の数々だけでも興味深く、ニットに興味がある方はもちろん、世界各地の伝統文化、手仕事に関心のある方にも、ぜひ手に取っていただきたい一冊です(オールカラー。テキスト英文。チャート・写真多数)。