(写真↑は当時、図書館で借りていた貸し出し本のリスト。捨ててしまったものもたくさんありますが、娘の工作作品箱に一部をまとめて入れてあります)
わたしが今の家に越してきたのは、娘が2歳のときでした。知り合いのまったくいない土地に越してきてしまったこともあり、それから一年半と少し、娘が幼稚園に入るまでの平日昼間は、ほぼふたりきりで過ごしていました。
天気のいい日は公園へ行ったり、海へ行ったりしていましたが、わたしはもともとインドア派の人間です。だから毎日が「お外遊び」だけだと(残念ながら)正直、それほど楽しくないのですね。人間、母親になったからといって、そう簡単には変われないのです。
そこで越してからすぐ、週二三回の図書館通いをするようになりました。図書館へは転居前にもよく行っていましたが、以前より頻繁に通うようになったのは、娘とふたりきりの時間が長くなったせいでしょう。
図書館へ行くといっても(ちいさいお子さんをお持ちの方はお分かりかと思いますが)自分の本を借りることは、ほとんどできません。本棚の前でゆっくり本を選ぶ、ということがまずできないのです。せわしなく動く子どもを制しながらなんとか借りたとしても、四六時中の世話と注意を必要とする存在がいると(食事やトイレ中でさえ)、本を読む時間もあまりありませんでした。
古本屋としてそれまで本まみれの生活をしていたわたしからすると、図書館に行って自分の本を借りないなんて、我ながら何が起こったのかと思うほどの環境の変化でしたが、でもだからといって仕方がありません。
この子を膝に乗せて本を読んであげられる期間はもしかするとほんの少しで、これを逃すともう二度とないかもしれない。第一、お外遊びよりも絵本を読むほうがわたしにとっては楽しいし、お母さんがいい気分であるほうが、娘にとってもたぶんいいことだろう。
そう思い、できるだけたくさんの絵本を読んでやることにしたのでした。
さいわい娘も本が好きで、このころ図書館で借りて読んでいた絵本は、一か月におよそ100冊ちょっと。周辺の図書館、計四館を順繰りにまわって借りていました。
もちろん100冊ぜんぶが違う本ではありません。気に入った絵本は何度も繰り返し読みたがるので、借りたことのある本をまた借りることもよくありました。
選び方はいたってシンプルで、基本は娘が好きな本を選び、わたしはそれを見ながら時々新しいもの(気に入りそうなものや、すこし背伸びした内容のもの)を混ぜてやるといった感じで、これは5歳(年中)になった今でもあまり変わっていません。
図書館で借りてほんとうに気に入った本は、できるだけ買ってやることにしていました。でもそれには条件がひとつあり、おとうさんとおかあさんが気持ちよく読むことができる本(内容や絵など)に限ることに決めていました。読み聞かせるのは親で、目的は勉強のためではなく互いのコミュニケーションのためなので、そのためにはみんなが楽しい気分になれるように、と思ったからです。
娘の本棚にはそうやってそろえた絵本がたくさん入っています。
最近は自分でも読めるようになり、借りる本も「自分で読む本」の割合が少しずつ増えてきました(このところは角野栄子さんの「おばけのアッチ」シリーズがブームだそうです。懐かしい~)。たぶんもう少ししたら図書館へも自分で行くようになるのでしょう。
というわけで、この辺りで記録もかねて、0~3,4歳ごろの娘が喜んで読んでいた本を短いコメント付きで少しずつ載せていこうと思います。わたしが(元)古本屋だけにオーソドックスなものが多めですが、娘に読み聞かせるなかではじめて知った新しい絵本もあります。絵本の専門家でも絵本屋さんでもないので、どれだけ参考になるかわかりませんが、どんな本を借りようか(買おうか)迷っている方々のお手伝いに少しでもなれればとてもうれしい。
(…と、ここまで書いたら思ったより長くなってしまったので、本を載せるのはまた後日にします…ぼちぼち更新しますのでよろしくお願いします)