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Backward Loop Cast On 巻き増し目

Backward Loop Cast Onは、主に編んでいる途中、右針に作っていく作り目で日本では「巻き増し目」と呼ばれています。


↓この増し目を使ったパターン↓
編込みミトン「星々」(ダウンロード版)
編込みミトン「花々」(ダウンロード版)
ピコットミトン
↓パターン販売ページ↓
編み図SHOP

1. 増やしたい目の手前まで編み、左手の指(わたしは人差し指を使っていますが、親指でも)に糸を写真のように巻きつけ、右針の尖端で手前から向こうにすくう。




2. 指を抜き、糸をひっぱる(ここで強くひっぱり過ぎると次の段で編むのが大変なので、あまりひっぱりすぎない)。


3. 作り目(巻き増し目)が一目できました。必要目数になるまで1~2を繰り返す。


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当店のパターン販売ページ

10/17◎入荷のお知らせ

スウェーデンの刺しゅう、織り物本、日本の絵本などの古本を追加しました。

『しろいやぎビケット』は『まりーちゃんとひつじ』でお馴染みのフランソワーズさんによる絵本です。

『しろいやぎビケット』 フランソワーズ


「アメリカの絵本」となっていますが、作者であるフランソワーズさんは(名前からも分かるように)もともとフランス生まれの方。パリの児童図書出版社に勤めた後、アメリカに留学し、フランスとアメリカを行き来しながら、たくさんのかわいらしい絵本を残しました。

おしゃれで現代的な絵からはなかなかイメージできませんが、彼女が生まれたのはじつは1897(明治30)年! 作家・宇野千代と同い年の作家さんなのですね。わお!

この『しろいやぎビケット』は、2003年に徳間書店から『みみちゃんとヤギのビケット』というタイトルで復刊されましたが、こちらもすでに絶版です。ひつじ好き、裁縫好きにもおススメのまことにかわいらしいお話ですので、よかったらぜひご覧ください。

10/12◎入荷のお知らせ

日本、スウェーデン、アメリカの刺繍本、グスタフスベリの展覧会図録などを入れました。

今日はフレメ刺繍のクリスマス刺繍本を入れましたが、はっと気がつくともうあと二か月でクリスマス(そして年末!)ですね。

デンマークのフレメ刺繍図案『クリスマスのクロスステッチ』英語版



更にいい本をご紹介できるよう、残りの今年を精進しながら走り抜けたいと思います。
よろしくお願いします。

10/6◎入荷のお知らせ

今日は二冊、フレメ刺繍でお馴染みのゲルダ・ベングトソンさんの人と作品を追った『ゲルダ・ベングトソン 刺繍・人生』とカナダ在住のテキスタイル・アーティスト堀内紀子(Toshiko Horiuchi MacAdam)による糸(紐)の編み方をレクチャーした『一本の線から From a line』です。

ゲルダさんの本、じつは版元のヤマナシヘムスロイドで新刊がまだ手に入ります。すてきな本ですので、新刊が欲しい方はぜひ、版元さんに連絡してみてください(6480円税込・電話・ファックス・メールで注文を受けつけてくれるようです)。

堀内紀子 (Toshiko Horiuchi MacAdam)さんは、現・カナダ在住のテキスタイル・アーティスト。
日本では箱根の彫刻の森美術館にある「ネットの森」の作者として有名でしょうか。また12月公開のアイスランドのドキュメンタリー映画映画『YARN 人生を彩る糸』でも、彼女がクローズアップされているそう(12月公開、おもしろそう!)。
http://yarn-movie.com/
「特に、長いキャリアのあるテキスタイル・アーティストのTOSHIKO(堀内紀子)が、ユニークで素晴らしい、人々に必要とされるアートに形を変えていった軌跡は、本作に表現することの変遷に深い洞察を与えるものでした」(同作HP)
と『yarn』の監督が云うように、1940年の東京生まれの堀内さんは、糸を素材として扱うアーティストの先達のような存在です。
今回の本は、そんな彼女が糸をどうやって扱うか(編むか)の技術を分かりやすく丁寧に、そして惜しみなくレクチャーしたとても贅沢な一冊。どうぞお楽しみください。

『一本の線から from a line』二冊セット 堀内紀子

10/3◎入荷のお知らせ

日本の手芸本、絵本、雑誌、エッセイなどを入荷しました。

絵本は先日入れたものと同じく、宇野亜喜良の初期イラストが楽しめる「うたえほん」シリーズです。

初期・宇野亜喜良・福田繁雄イラスト『うたのあおぞら』


今日入れたもののなかには福田繁雄が絵を担当したページもあり、豪華!
ぜひご覧ください。

また「いろは」4号で特集したファッションデザイナー中林洋子のエッセイ集も入れました。

『セピア色の日々』中林洋子

いろは4号


洋子さんが手掛けた装幀本は、奥付をチェックしなくても、あ、洋子さん(なみこさんと読みます)の! と分かるなにかがあります。こういう「見えないイニシャル」を自然とつけることができた女性なのでしょうね。

また「婦人画報」は佐野繁次郎の手書き文字がタイトルロゴだった時代のものです。

「婦人画報」1963年6月号 結婚特大号


昔々、海月書林でまとめましたが(→LINK・佐野繁次郎とマサム・マサコ・気がつけば、もう十年以上前ですね…)、このころの「婦人画報」ではマダム・マサコさんも連載を持っていました。
そういえば伊丹十三(当時は「一三」でしたが)の「ヨーロッパ退屈日記」も、山口瞳の「江分利満氏の優雅な生活」(直木賞受賞作)も、今回入れた60年代の「婦人画報」の連載だったのですね。

どうぞお楽しみください。

9/28◎入荷のお知らせ

絵本、手芸本、料理本など入荷しました。

今日は宇野亜喜良、長新太、丸木俊といった画家・イラストレーターの絵本を入れました。宇野さんと長さんの絵本は、どちらも初期といっていい時期の珍しいものです。
とくに宇野さんの絵は、のちの耽美なイラストとはいくぶん趣の違うかわいらしいイラストで新鮮。


ご本人が著書の中で影響を受けたと記しているプロベンセン夫妻を思わせるイラストですが、さすが宇野さん。作風が違っても作品の完成度&垢抜け度は飛びぬけています。
お楽しみいただけたらうれしいです。

また丸木俊さんの絵本もなかなかすてきです。

『ぶらんこのり』丸木俊・絵 佐藤義美・文


丸木さんといえば、広島の絵が有名ですが、絵本もとてもよく、「こまどりのクリスマス」「12のつきのおくりもの」などが有名ですね。
個人的には丸木さんの義妹にあたる大道あやさんの「ねこのごんごん」も大好きなので、こちらの本もまた入荷できるといいなあと思っています。

今週末は秋晴れでしょうか。よい週末を。

9/26◎入荷のお知らせ

日本の手芸本、随筆など入荷しました。
『飲み食ひの話』獅子文六 装幀・芹沢銈介
『愛奴物語 白夜を旅する妖精』栗田勇 装幀・イラスト 宇野亜喜良
『ベビーニット』 ハンドクラフトシリーズNo.7
『クロスステッチ作品集』
村田敬子・小薗江圭子・三宅喜久子・久家道子など

『かぎ針編み3 すてきなインテリア』曽根睦子・成田敬子・わたなべ緑・可児久子・和田絢子など
『子ども服の早裁ち早縫い』 ハンドクラフトシリーズNo.71

また当店およびravelryで販売中の編み物パターン「アラン帽子」。

アラン帽子 (印刷版)

アラン帽子 (DL版)

comugyさん(https://www.instagram.com/comugy/)が、とてもかわいらしく編んでくださったので、ご許可をいただき商品ページに使用糸の情報とあわせて写真を掲載させていただきました。

使用糸はDARUMAのFalkland Woolだそうで、落ち着いたベージュがいいですねー。
ありがとうございました。

運動会に遠足。秋の行事が目白押しで、なかなか慌ただしい毎日ですが、それでも秋はごはんがおいしい(笑)。食欲の秋を満喫しています。
どうぞよろしくお願いいたします。

9/22◎入荷のお知らせ

エストニアの新刊、スウェーデン・日本の古本など入荷しました。
『エストニア ムフ島のデザインとパターン 伝統の針仕事』Meite Muhu mustrid
『かじやとようせい』 こどものとも273号
『おはようミケット』 こどものとも275号
スウェーデンのキノコ図鑑『 Svampplockarens handbok』
『可愛い女へ お菓子の絵本』入江麻木・宮川敏子など
編み物と手芸のファッション誌『しゃるむ』創刊号
編み物と手芸のファッション誌『しゃるむ』NO.14

『エストニア ムフ島のデザインとパターン 伝統の針仕事』Meite Muhu mustridは、日本の手芸・編み物雑誌で何度か取り上げられたことがあるので、ご存知の方も多いかと思います。

【新刊】『エストニア ムフ島のデザインとパターン 伝統の針仕事』Meite Muhu mustrid


版元でもすでに品切れの本書。とてもすばらしい本なので、今回、なんとか見つけて入荷することができました。
重さも大きさもずっしりとしたヘビー級で、棒針編み、かぎ針編み、クロスステッチ、毛糸刺しゅう、カード織り(タブレット織り・バンド織り)などなど、多彩な伝統手芸作品とその作り方が、オールカラーでぎっしりと詰まった大満足の一冊です。作り方が掲載されているのはもちろん、どの作品も、見事にかわいらしいのがまたすごい。
気になっていたけれど手に入れられなかった方、この機会にぜひどうぞ。

またこどものともは、思い出の絵本という方が多い「おはようミケット」「かじやとようせい」の二冊を入荷しました。

『おはようミケット』 こどものとも275号

『かじやとようせい』 こどものとも273号


私事で恐縮ですが、わたしもこの二冊は忘れられない絵本のひとつ(ふたつ?)で、ミケットはパキッとおしゃれな色使いが、「かじやとようせい」はあの何ともいえない恐ろしさが子ども心にも衝撃で、いまでもぼろぼろになったペーパーバック版(名前入り)を大切に持っています。しかし「かじやとようせい」の「ようせい」登場シーン、昔はほんとうにちょう怖かった…。

日に日に早まる夕暮れに秋を感じています。
どうぞよい週末を。

9/20◎入荷のおしらせ

エストニのミトン・リーフレット、イギリスのフレメ刺繍図案集、日本の料理手芸本など入荷しました。
デンマークのフレメ刺繍図案『花とベリーのクロスステッチ』
『シルバーパレット NY発 いい日いい味407』THE SILVER PALATE GOOD TIMES COOKBOOK
『模様編みブック』 鈎針編67種・棒針編34種・アフガン編24種
『Kirikindad Virumaalt』エストニアのミトン・リーフレット
『新東海道五十三次』武田泰淳 武田百合子関連本

エストニアのミトン・リーフレットは、当店で取扱いのある『エストニアのミトン2』ではなく、この本のひとつ前に出た『kirikindad』掲載のミトンのなかから選ばれたものです。

【新刊】『Kirikindad Virumaalt』エストニアのミトン・リーフレット


一枚の大きな紙を縦に一度折り、それをさらに横に二度折ったもので、開くと両面カラーでミトンがずらり。今回はデットストックの新品を入荷できましたので、編み物好きの方へのちょっとしたプレゼントにも、ぜひどうぞ(わたしがもらったら、たぶんすごくうれしい)。

また『新東海道五十三次』は、武田百合子さんがお好きな方ならとても面白く読める一冊です。
泰淳さんの作品なので難しいのでは? と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。新聞小説だけあって(毎日新聞での連載でした)、スラスラ読めるとても楽しい作品です。

『新東海道五十三次』武田泰淳 武田百合子関連本


この本の最終回を出版社の人に「横浜港の税関の前で」手渡した直後、武田夫妻はあの『犬が星見た』のロシア旅行に旅立ちました。
また本書によると、旅の最終地である京都での百合子さんの「目的の第一」は、「女学校時代に彼女のめんどうを見てくれたA先生に面会できること」
であったそう。
「とても痩せていて、頼りなさそうで、口もろくにきかない生徒でしたものね」
と「感慨深げに」振り返るA先生は、『遊覧日記』などにでてくるあの「先生」でしょうか。
あくまでも「小説」ではありますが、朗らかで率直でじつにかわいらしい40代前半の「ユリ子」さんが随所に出てくる、ファンなら持っていて決して損はない一冊です。

朝晩だいぶ涼しくなってきて、ほっと一息ついています。
どうぞよい秋を。

9/15◎入荷のお知らせ

フィンランドのレース&編み物本(どちらも新刊)、アメリカ、日本の古本など入荷しました。
フィンランドのボビンレース『SUOMALAISTA NYPLATTYA PITSIA』
フィンランドの伝統セーターと小物『LANKAPAITOJA JA MUITA ASUSTEITA』
デンマークのクロスステッチ1『ハーブと薬草』フレメの刺繍図案・日本語版
デンマークのクロスステッチ5『野に咲く花』フレメの刺繍図案・日本語版
『ヨーロッパのクロス・ステッチ2』監修イルゼ・ブラッシ
デンマーク のフレメ刺繍・モダン・クロスステッチ図案集(アメリカ版)Contemporary Danish cross-stitch design
『美しい思い出の雑誌 銀花』1968年5月号
『美しい思い出の雑誌 銀花』1969年3月号

フィンランドの新刊本二冊は、写真がとてもきれいで、ボリュームもあり、見ているだけで創作意欲がわいてきそうなすてきな本です。
この出版社の本は、当店でも多数扱っていますが、造本・写真がとても美しく、詰め込まれた情報はもちろんのこと「本というモノ」の魅力が存分に感じられるものが多く、扱うたびにいいなあ、と思います。

また雑誌『銀花』は、今見ても内容・レイアウトなどとても格好良く、花森安治と並び称される女性誌名編集長・今井田勲の卓越したセンスを感じます。
「静かな心のたたずまいを愛し 日々の暮らしに美を求める人のために 新しく生まれた雑誌」
という巻頭文もいいですねえ。他人に流されず、自らの境遇のなかでできるかぎりをつくすことが良しとされたあの時代の強くて美しい女性像が垣間見られるようです。

どうぞお楽しみください。

編み込みミトン「花々」

ミトン「花々」の編み図をアップしました。

編み込みミトン「花々」の編み図(ダウンロード版)

使用毛糸は、編込みミトン「RIN」と同じく、パピーのブリティッシュファインです。ウールの素朴さとワイルド感がありながら、それほどチクチクしない細めの中細です。

今回は、ぽっぺの赤い田舎の女の子(とてもかわいい)をイメージして作ってみました。赤と白で編みましたが、黒×白または茶色×白などシックな色で編んでもまたキュートかと思います。
編み込みの際は、渡り糸が長くなるので、編地の後ろでそっと編みくるみながら編んでください。



花の図案は、両手を並べると模様が続くようになっています。また親指の模様は左右で違い、こちらも本体側とつながって見えるようデザインしました。
ノスタルジックな丸い形にしたかったので、ミトンと親指のトップはメリヤスはぎで閉じ合わせるスタイルです。



またカフは、掛け目と減らし目で編んでいくすかし模様を使っています。編地の端に表情をもたせるため、作り目はケーブル・キャスト・オンを使ってみました。チュートリアルを作ってみたので、こちらもよかったらご覧ください。

Cable Cast On ケーブル・キャスト・オン

当サイトでは印刷版ダウンロード版の二種類をご用意しましたが、どちらも日本語のみなので英語版がご入用の方は、こちらの「ラベリーのページ」でご購入ください(ラベリーでのパターン購入法はこちらのページ「ravelry パターン購入方法」で解説しています。デザインが若干変わりましたが、手順自体はほぼ同じです)。

少ない毛糸量で編めるので、花の少ない季節のプレゼントにもぜひどうぞ。楽しんでいただけたらとてもうれしいです。

Cable Cast On ケーブル・キャスト・オン

Cable Cast Onは、「Knitted Cast On 編みながら作る作り目」と同じく、編んでいる途中で作ることができる作り目です。
名前の通り、端がケーブルのようになり「Knitted Cast On 編みながら作る作り目」より伸縮性の少ない、しっかりとした編地に仕上がります。
(この技術を使ったパターンは→編込みミトン「花々」

1. 左針に編み始めの目(スリップ・ノット)を作ります(編んでいる途中で増し目をする場合は、増し目の前の目まで編みます)。


2. 右針で表目を編むように糸をひっかけ、スリップ・ノットから引き出します。




3. 左針にかかった目(スリップ・ノット)はそのままに、右針で引き出した糸を左針に移し、糸を適度に引きしめます。




2目できました。ここまではKnitted Cast On 編みながら作る作り目と同じ手順です。


4. 1目めと2目めの間に右針を入れ、表目を編むように糸を引き出します。





5. 3と同じく、左針にかかった目(スリップ・ノットと2目め)はそのままに、右針で引き出した糸を左針に移します。




3目できました。次は新しくできた目とその次の目の間に針を入れ(画像矢印)、必要な目数になるまで4~5を繰り返します。

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