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寝る前に  娘と読んだ絵本のはなし3 (1歳~1歳半ごろ)

pbok3fs 一歳を過ぎたころから日に二三度だった娘のお昼寝が、一度にまとまってきました。同時に寝かしつけも延々抱っこから、歌をうたっての添い寝(で、添い乳ナシ)に少しずつ変えていった覚えがあります。

 いわゆる“子守歌大作戦”となったなわけですが、当時のわたしには手持ちの武器(歌える歌)が、それほどありませんでした。

 そこで昔ながらの童謡を集めた絵本を探したのですが、残念なことにいい本がなかなか見つかりません。絵が少しばかり甘いアニメ風だったり、歌がずいぶん少なかったり……。ありそうでなかったのですね。

 『いっしょにうたって!』『いっぱいうたって!』は、そんなとき偶然知った絵本でした。誰もが知っている、でも歌詞をみないとなかなか歌えない童謡がたっぷり入っていて、真島節子さんの絵も上品でとても愛らしい。避難先の図書館で借りていっぺんで気に入り、すぐに本屋さんで注文しました。

 それからほぼ毎日、この二冊には、ほ・ん・と・う・にお世話になりました。
 使い過ぎてページはぼろぼろ、テープであちこち補修もしてありますが、道ばたでアリを見つけては歌い、お散歩でこいのぼりを見あげては歌い、寝かしつけ以外にもフル活用。いろいろな思い出が詰まった、文字通り手放せない本になりました。

絵本リスト
どの絵本もこの時期よく読んだものですが、この後も、何度もくり返しず~っと読んでいます(なかには5歳になった今でもときどき読んでいるものも)。なので月齢はあくまで参考程度に。

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『いっしょにうたって!』『いっぱいうたって!』(たのしいうたの絵本)
真島節子:絵 こぐま社
「20年前も、いまも、うたわれていて、そして、20年後もうたわれているだろう歌」をそれぞれ29曲づつ収録した歌の絵本。「小さい秋」「くつが鳴る」「あかとんぼ」「春が来た」「汽車ポッポ」「あめふりくまのこ」「こぎつね」などなど、誰もが一度は聞いたこと&歌ったことのある(でも、いざ歌えといわれてもなかなか正確には歌えない)歌の数々が、やさしく朗らかな真島節子さんの絵とともに収められています。子どもと歌いながら日本の豊かな四季を素直に寿げるのもうれしい。簡単な楽譜もついています。
『いっしょにうたって!』
版元の本紹介ページ(収録曲リスト有) / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)
『いっぱいうたって!』
版元の本紹介ページ(収録曲リスト有) / Amazonページ(パソコン) / Amazonページ(モバイル)

 
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『おつきさまこっちむいて』(ふしぎなたねシリーズ)
片山令子:文 片山健:絵 福音館書店
ちいさな子はお月さまを見つけるのがほんとうに大好き。大人は慣れてしまって何とも思いませんが、空にあんなものが浮かんでいるなんて(そして光ってるなんて!)、思えばすてきなことですよね。三日月、半月、雲間の月…。どのページにもちゃーんとあるお月さまが、そんな子どもの驚きと喜びをしっかりと充たしてくれるようです。またお月さまを見上げる「ぼく」の横にきまってお父さん、お母さんが描かれているのもうれしい。ほとんどの子どもにとって「お月さまの時間」=夜は、大好きな家族との時間でもありますから。
版元の本紹介ページ
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『おつきさまこんばんは』
林明子:作 福音館書店
暗い空にお月さまが、少しずつすこしずつのぼってきて…。雲に隠れたお月さまが再び現れ、にっこりとまあるく笑うシーン。娘も一緒になっていつも幸せそうに笑っていました。細部まで磨きあげられた端正な絵、すっと頭に入ってくるやわらかで優しい言葉。上記の『おつきさまこっちむいて』と同じく、初めて「月」というものを知って以来、重度の月マニアになった娘が、とくに気に入っていた名作「お月さま絵本」です。
版元の本紹介ページ
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『こやぎがめえめえ』(0.1.2えほん)
田島征三:作 福音館書店
「めええ」とないたり、「ぴょん」と跳ねたり、「ぽろぽろ」とうんち(!)をしたり元気いっぱいに遊ぶ、ちいさな「こやぎ」。勢いのある田島さんの筆使いも心地よく、読んでいるとこちらまで開放的な気分になってきます。我が家ではこやぎが転ぶページで、「すってん」と一緒に転ぶマネをするのが“お約束”でした。最後のページが「おっぱいを ちゅう ちゅう」というのも、満足感があっていいのでしょうねえ。
版元の本紹介ページ
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『だるまさんが』
かがくいひろし:作 ブロンズ新社
ご存知、大人気絵本「だるまさん」シリーズ。娘もやっぱり好きで、「どてっ」では転び、「ぷしゅー」では小さくなり、「ぷっ」ではおならをしたマネをして、全身で堪能していました。一度、ちいさな甥っ子たちに読んであげたときは、それぞれが転んだり、伸びたり、それはもう大騒ぎ。でも最後の「にこっ」で、笑い顔いくつも並んだのには、思わずこちらも「にこっ」。どんな子どもにもヒットするだろう守備範囲の広ーい絵本ゆえ、プレゼントにもおすすめです。
版元の本紹介ページ
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『たかーいたかい』
いしなべふさこ:作 偕成社
「ぼくのほうが たかいよ」と、椅子に登り、さらには机にあがっていってしまう男の子。なにかに登れば自動的に背が高くなる、という子どもがよくやる「身長のかさ上げ行為」が、かわいらしいイラストでテンポよく描かれています。シンプルな展開ときれいな色あいのせいか、わたしもちいさいころなぜかこの絵本が好きでした。正方形に近いミニ・サイズの厚紙製。
現在、版元品切れ(絶版)のため版元の本紹介ページがなくAmazonにも(今のところ)在庫がないようです

おうちになる  娘と読んだ絵本のはなし2 (6ヶ月~1歳ごろ)

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娘が八か月のときに東日本大震災が起きました。
 震災の翌日、福島県郡山市を出た私たちは、絵本を一冊も持っていくことができませんでした。

『きんぎょがにげた』『MEET COLORS』は、その後、三か月ほど続いた居候生活の間に買った絵本です。
 久しぶりの絵本に声を出して喜ぶ娘の姿に、しばらく忘れていた穏やかな「日常」が戻ってきたようで、心底ホッとしたような覚えがあります。
 
 子どもを膝に乗せ(または並んで仰向けになり)絵本を読み始めると、そこがすこしだけ落ちついた「おうち」になる。そんな絵本の効果を感じた六冊でもありました。

絵本リスト
どの絵本もこの時期よく読んだものですが、この後も、何度もくり返しず~っと読んでいます(なかには5歳になった今でもときどき読んでいるものも)。なので月齢はあくまで参考程度に。

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『きんぎょがにげた』
五味太郎:作 福音館書店
金魚鉢からぴょ~んと逃げ出した、まあるい金魚。さてさて、お部屋のどこに隠れてる? 五味太郎さんらしいくっきりとした色と線、そして大人から見るとかなり丸見えな金魚の隠れっぷりが、子どもたちのハートをつかんで離さない人気のポイントでしょう。逃げた金魚を指さして教えるときの達成感も○なようです。
版元の本紹介ページ
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『MEET COLORS』(LITTLE EYS2)
駒形克己:作 偕成社
グラフィック・デザイナー駒形克己さんによる「0歳からの幼児のためのカード絵本」「LITTLE EYE」シリーズの2。丸、三角、四角の穴が開けられた三つ折りのカードを広げると、ぱっぱっぱっといろんな色や大きさの形が魔法のように現れます。カードを手で広げるというアナログなプロセスも、子どもにとっては楽しいのでしょうね(破れにくく、手も切れにくい特別な紙で作ってあるので、ちいさな子どもにも安心です)。箱入り12枚セット。
版元の本紹介ページ
Amazonページ

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『おやすみなさいおつきさま』
マーガレット・ワイズ・ブラウン:作、クレメント・ハード:絵 瀬田貞二:訳 評論社
壁がみどりで、床がピンクの大きなお部屋。赤い風船が天井に浮かび、壁には赤々と燃える暖炉が。その部屋でベッドに入る、ちいさな子ウサギ。「おやすみ あかいふうせん」「おやすみ おへや」。ゆっくりと流れていく「時」に浸されるような不思議な温かさを持つアメリカ生まれの名作絵本です。
版元ページ(個別の本紹介ページはないようです)
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『どうぶつのおやこ』
薮内正幸:画 福音館書店
ほんものそっくりの動物の親子の絵が並ぶ、字のない絵本。「この赤ちゃん、なんていってるのかな?」と親子で考えてみたり、勝手にセリフをつけて読んでみたり。何度も読むうちに自然とその家だけの「どうぶつのおやこ」ができあがる。そんな包容力のある一冊でもあります。ちなみに我が家では、絵本にでてくる動物の親子のマネを実際にしてみる、というのをよくやっていました(娘が動物の子ども役で、私たちはもちろん親役)。
版元の本紹介ページ
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『ほっぺほっぺほっぺ』
内田麟太郎:作、長野ヒデ子:絵 童心社
表紙のかわいい女の子は「さっちゃん」。このさっちゃんが、タコ、おばけカボチャ、ワニ、山(!?)などいろんなものに抱きつき、次々と「ほっぺ ほっぺ」していきます。読みながら、また読んだあと、親子で「ほっぺほっぺ」し合うのもまた楽しい。子ども時代にしか味わえない、スキンシップのしあわせをぜひどうぞ。
版元の本紹介ページ
Amazonページ

『ととけっこう よがあけた』(わらべうたえほん)
小林衛己子:案、真島節子:絵 こぐま社
ニワトリの「こっこさん」が、「ととけっこう よがあけた まめでっぽう おきてきな」でおなじみのわらべうたをうたいながら、動物たちを元気よく起こしていきます。奥付で作者の小林さんがおすすめしているように、我が家でもお昼寝のとき「ととけっこう よがあけた ○○ちゃん おきてきな」と子どもの名前を入れて起こす、というのをよくやっていました。
版元ページ
Amazonページ

歌の代わりに 娘と読んだ絵本のはなし 1 (0~6ヶ月ごろ)

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絵本リスト
どの絵本もこの時期よく読んだものですが、この後も、何度もくり返しず~っと読んでいます(なかには5歳になった今でもときどき読んでいるものも)。なので月齢はあくまで参考程度に。

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『まりーちゃんとひつじ』(岩波こどもの本)
フランソワーズ:作、与田凖一:訳 岩波書店
詩人でもあった与田準一さんのリズム感のある、少し古風だけれど味わい深い訳文がすてきな一冊。若干自分勝手ぎみのまりーちゃんもおもしろく、何度読んでも飽きません。「まりーちゃんとひつじ」「まりーちゃんのはる」の2編が収録されており、わたしはとくに前者を、もうほんとうに暗記できるくらい読み(歌い)ました。
出版社ページ
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『せんろはつづくよ』(岩波こどもの本)
マーガレット・ワイズ・ブラウン:作、ジャン・シャロー:絵、与田凖一:訳、岩波書店
こちらも与田準一さんの訳文。西へ走る汽車の「ぱふぱふ」「ちゃぐちゃぐ」という音がじつに音楽的で、読んでいると思わず体を揺らしたくなってきます。息継ぎなしに一気に読めるテンポのいい文章も、汽車の疾走感にぴったり。渋い色あいの挿絵も格好いい。
出版社ページ
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『にぁーう』(あかちゃんのわらべうた)
松谷 みよ子:作、長野 ヒデ子:絵、偕成社
雨の降る夜、おばあちゃんに拾われたちいさな子猫。少しずつ大きくなっていく猫とおばあちゃんの様子が、やさしい言葉で弾むように紡がれています。育児に奮闘する身には、ちいさくて弱々しかった子猫がおばあちゃんに守られてすくすくと育つ様子もありがたく、読みながら勇気づけられるようでもありました。作者は「モモちゃん」シリーズでも知られる松谷みよ子さん。
出版社ページ
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『いないいないばあ』『いいおかお』(松谷みよ子 あかちゃんの本)
松谷 みよ子:文、瀬川 康男:絵、童心社
「いない いない…」とためた後、ページをめくり「ばあ」と云った時のうれしそうな顔! 『いいおかお』の最後「おいしい、おいしいはどーこ」で、その子なりの「いいお顔」をしてもらうのも、可愛くておすすめです。赤ちゃん時代のしあわせがたっぷりつまったような名作絵本。
いないいないばあ 出版社ページ
いないいないばあ Amazonページ
いいおかお 出版社ページ
いいおかお Amazonページ

『ごぶごぶごぼごぼ』(0.1.2.えほん)
駒形 克己:作、福音館書店
カラフルではっきりとした絵、「ぷ ぷ ぷ ぷ」「ぷーん」といった変わった言葉の響き、本に開けられたたくさんの丸い穴。読んでも触っても楽しめる、赤ちゃんにはたまらない絵本です。福音館の「0.1.2.えほん」は丈夫な厚紙製のため、かなりハードに舐めてもへこたれず、本の角が丸くなっているのも安心。赤ちゃん時代はよくお世話になりました。
出版社ページ
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『もこもこもこ』
谷川 俊太郎:作、元永 定正:絵、文研出版
「しーん」「もこもこ」「にょきにょき」……擬音と絵だけで進む世界は、言葉と世界がまだ未分化だったころの不思議な快感に充ちているよう。娘は最初の一言「しーん」を聞いただけで、うれしすぎて奇声をあげてしまうほどこの本が好きでした。もう少し歳があがってからは、声をそろえて一緒に「ぱく」と云うのも楽しかった。
出版社ページ
Amazonページ

娘と読んだ絵本のはなし

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(写真↑は当時、図書館で借りていた貸し出し本のリスト。捨ててしまったものもたくさんありますが、娘の工作作品箱に一部をまとめて入れてあります)

 わたしが今の家に越してきたのは、娘が2歳のときでした。知り合いのまったくいない土地に越してきてしまったこともあり、それから一年半と少し、娘が幼稚園に入るまでの平日昼間は、ほぼふたりきりで過ごしていました。

 天気のいい日は公園へ行ったり、海へ行ったりしていましたが、わたしはもともとインドア派の人間です。だから毎日が「お外遊び」だけだと(残念ながら)正直、それほど楽しくないのですね。人間、母親になったからといって、そう簡単には変われないのです。

 そこで越してからすぐ、週二三回の図書館通いをするようになりました。図書館へは転居前にもよく行っていましたが、以前より頻繁に通うようになったのは、娘とふたりきりの時間が長くなったせいでしょう。
 
 図書館へ行くといっても(ちいさいお子さんをお持ちの方はお分かりかと思いますが)自分の本を借りることは、ほとんどできません。本棚の前でゆっくり本を選ぶ、ということがまずできないのです。せわしなく動く子どもを制しながらなんとか借りたとしても、四六時中の世話と注意を必要とする存在がいると(食事やトイレ中でさえ)、本を読む時間もあまりありませんでした。

 古本屋としてそれまで本まみれの生活をしていたわたしからすると、図書館に行って自分の本を借りないなんて、我ながら何が起こったのかと思うほどの環境の変化でしたが、でもだからといって仕方がありません。

 この子を膝に乗せて本を読んであげられる期間はもしかするとほんの少しで、これを逃すともう二度とないかもしれない。第一、お外遊びよりも絵本を読むほうがわたしにとっては楽しいし、お母さんがいい気分であるほうが、娘にとってもたぶんいいことだろう。
 そう思い、できるだけたくさんの絵本を読んでやることにしたのでした。

 さいわい娘も本が好きで、このころ図書館で借りて読んでいた絵本は、一か月におよそ100冊ちょっと。周辺の図書館、計四館を順繰りにまわって借りていました。
 もちろん100冊ぜんぶが違う本ではありません。気に入った絵本は何度も繰り返し読みたがるので、借りたことのある本をまた借りることもよくありました。
 選び方はいたってシンプルで、基本は娘が好きな本を選び、わたしはそれを見ながら時々新しいもの(気に入りそうなものや、すこし背伸びした内容のもの)を混ぜてやるといった感じで、これは5歳(年中)になった今でもあまり変わっていません。

 図書館で借りてほんとうに気に入った本は、できるだけ買ってやることにしていました。でもそれには条件がひとつあり、おとうさんとおかあさんが気持ちよく読むことができる本(内容や絵など)に限ることに決めていました。読み聞かせるのは親で、目的は勉強のためではなく互いのコミュニケーションのためなので、そのためにはみんなが楽しい気分になれるように、と思ったからです。

 娘の本棚にはそうやってそろえた絵本がたくさん入っています。
 最近は自分でも読めるようになり、借りる本も「自分で読む本」の割合が少しずつ増えてきました(このところは角野栄子さんの「おばけのアッチ」シリーズがブームだそうです。懐かしい~)。たぶんもう少ししたら図書館へも自分で行くようになるのでしょう。

 というわけで、この辺りで記録もかねて、0~3,4歳ごろの娘が喜んで読んでいた本を短いコメント付きで少しずつ載せていこうと思います。わたしが(元)古本屋だけにオーソドックスなものが多めですが、娘に読み聞かせるなかではじめて知った新しい絵本もあります。絵本の専門家でも絵本屋さんでもないので、どれだけ参考になるかわかりませんが、どんな本を借りようか(買おうか)迷っている方々のお手伝いに少しでもなれればとてもうれしい。
(…と、ここまで書いたら思ったより長くなってしまったので、本を載せるのはまた後日にします…ぼちぼち更新しますのでよろしくお願いします)

ちいさな指なし手袋

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本日、「ちいさな指なし手袋」(Small Tiny Fingerless Mittens)の無料パターン(編み方説明書)をRavelryにアップしました(英語版・日本語版)。

このパターン、以前、日本語版のみPDFにまとめたことがあります。が、パターン書のデザイン(レイアウトや色などもろもろ)が少しばかり気に入らず、Kitting Patternsのページに入れていませんでした。

今回、デザインの面ではほんとうにまだまだですが、ソフト(フォトショップとかイラストレーターとか)が前よりほんの少し使えるようになってきた(ような気がする)ので、英語版を作るのに合わせて日本語版もまとめなおしてみました。

サイズは3~5歳あたりの幼児用で、タイトル通りとてもちいさい手袋です。この年齢の子どもによくある「自分だけでやりたい」欲を楽に満たしてもらうため(うちの娘もやたらと主張していましたよ…)、左右の手袋を同じ形にしてみました。

表と裏で模様が違いますが、まあ、それはその日にはめたほうが「表」だということで(と割り切ったほうが、子育てではいろいろと楽しいです、よ、ね)。指がないぶん、手が少し大きくなっても使えるかと思います。

使用糸や針などの詳細情報はこちら(ラベリーのサイト)をご参照ください。少しハイゲージですがミニ・サイズなので、編み込みに慣れれば、少ない量の毛糸であっという間に編みあがるかと。

パターンには間違いがないように気をつけましたが、もし記述ミス、間違い(英文・日本語共に)などありましたら、コンタクトフォームからご連絡ください。

また無料パターンのダウンロードは、download nowをクリックして出てきたページの「download file」ボタンをクリックするか、以下の方法でできます(例に使ったパターンが違いますが、それ以外はクリックするボタンの文字など、ほぼ同じです)。どんなものか見てみるだけでもOKなので、気軽にダウンロードしてみてください。
楽しんでいただけたうれしいです~。

1.ラベリーの専用ページに飛び、画面右上の枠内にある「download」をクリック。ravelry_free

2.ポップアップで出てくる画面の「download PDF」の文字(英語版と日本語版2種類ありますので、お好みの方を)をクリックすればダウンロードが始まります。
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もうすぐ5年

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来月の11日で東日本大震災から5年です。
そこで先日から拙書『東北おやつ紀行』の取材時に撮ったおやつの写真をインスタグラムに投稿し始めました。

撮影はすべてわたしが福島県郡山市に住んでいた2009~2011年まで。投稿する(した)写真は、東北の中でも特に岩手・宮城・福島の被災三県のものになる予定です。

愛知で生まれ、大阪で学生時代を過ごし、東京で仕事をしていたわたしにとって、東北のお菓子は色も形も味も材料も、なにもかもがとても新鮮でした。ちいさくておいしいお菓子のなかに、その土地の歴史や風土、そこで暮らしている方々の思いが込められているようで、毎回、驚いたり関心したりしながらたくさんのお菓子を食べてまわりました。

取材時お腹にいて、震災時、8か月だった娘も5歳になりました。娘の同級生のなかには震災当日生まれた子もいます(出産以来つとに涙もろくなったわたしは、それを聞くだけで、もういろいろと泣けてくる)。

おやつの写真は来月11日まで少しずつ投稿していく予定です(ハッシュタグは「#東北おやつ紀行」)。よかったらご覧ください。

(写真下は2011年の会津若松市、十日市で撮った「ダンゴせんべい」の写真。旧正月の「だんご刺し」で飾る「ダンゴせんべい」は「ふなせんべい」ともいい、最中の皮で作った食べられるけれど食べない「せんべい」。色とりどりでいろいろな形があるとてもかわいらしい縁起物です)

Papercraft

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先週から今週にかけて、娘がインフルエンザにかかりました。
おかげさまで数日で熱は下がりましたが、解熱後3日は登園できません。もちろん外にでるのも基本的には禁止。

「ねえ~、おかあさーん、あそぼ~よ~」
つまらなそうな娘のため、ネットでこんなページ「3D Paper Hearts」を見つけました。
ハートのペーパークラフトの作り方を紹介したサイトで、無料テンプレート(PDFファイル)もダウンロードできます。最近ハートづいている娘は、文字通り目を♡にして大喜び。

作り方はとても簡単で(上記サイトに動画もあります)、
1. 無料テンプレートをプリントアウトする。
2. 好きな色を塗る。
3. 線に沿って紙を半分に折り、紙の裏側にハートの形をなぞる。
4. 裏側のハートにも色を塗る。
5. 線に沿って折り、ハサミでハートを切り抜く。(娘は紙を重ねて切るのがまだ難しいので、ひとつずつ切りました)
6. すべてのハートを重ねて、まんなかの線を縦にホッチキスで止める。
7. 半分に折りながら開いて、できあがり。

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レヨン・色鉛筆・絵具を出してきて、二人でふむふむと作っていたら、
「おかあさん、もっと違う形ない?」
と娘。どういう形がいいか聞くと、
「えっとね、ひし形とか、宝石とか、まるとか、しかくとか、あと、お星さまも!」
そこでテンプレートをいくつか作ってみました。
ホッチキスで止めるときに糸をはさめば、ちょっとしたオーナメントにもなります。いくつか作って縦につなげたり、まっしろな紙でも作っても格好いいかもしれません。

↓にそのとき作ったPDFのテンプレート(もちろん無料です)のダウンロード・リンクを載せましたので、よかったら持っていってください。
子どもと遊ぶものをお探しのお母さん&お父さん、工作好きのちいさい子さんたち、そしてクラフト好きの方々、ぜひどうぞ。

※ちいさいお子さんのハサミやホッチキスのお取り扱いには十分ご注意ください。ホッチキスは止めた後、裏側の針が出ている方をセロテープで貼ると安全かもしれません。

craftpaper
☆ ダウンロードはこちら(↓)をクリック
ペーパークラフト(Circle 円・上左)pdfファイル
ペーパークラフト(Diamond ダイヤ・上中)pdfファイル
ペーパークラフト(Rhombus ひし形・上右)pdfファイル
ペーパークラフト(Square 四角・下左)pdfファイル
ペーパークラフト(Star 星・下中)pdfファイル
ペーパークラフト(Triangle 三角・下右)pdfファイル

新サイト

Morning of the sea

無事、引っ越できました。
新しい家はまだ使い勝手が分からず、手直ししたいところもいろいろと目につきますが、遊びに来てくださるみなさまに楽しんでいただけるよう、これから少しずつ充実させていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

今日の晩ごはん(予定)
鶏のガーリック焼き、生タコ刺身、ハーブ豆サラダ、湯葉、イチゴ。

極上の通俗小説

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店をやっていたころ、古本を棚に入れる(またはネットに上げる)とき、つい読みふけってしまう本というのがありました。やめようと思っても、なかなかやめられない。『ある美人の一生』もそうやって出会ったなかの一冊です。

獅子文六はご存知のように昭和を代表する小説家の一人でした。
しゃれたユーモアーを感じさせる作品には、テレビ・映画化されたものも多く(『娘と私』など)、随筆『飲み・食い・書く』など食通としても知られています。
脚本家でもあり、若いころ演劇を学びにフランスに渡ったという経歴の持ち主でもあります(ちなみに最初の奥さんはそこで出会ったフランス人)。

小説の主人公は「わき子」という名の明治生まれの女性で、彼女は、幼いころから誰もが認める飛び切りの「美人」でした。
対して妹の「きみ子」は、「不美人という方でもないのだが、少し、顔立ちに癖が」とありますから、今でいうとファニーフェイスという感じでしょうか。

美人の姉と、そうでもない妹。
獅子文六は、タイプの違う姉妹の山あり谷ありの人生を、結婚、出産、子の病死、不妊、夫の不貞、隠し子発覚、家族の死といったワイドショーなみのあれこれを織り交ぜながらぐいぐいと進めていきます。

こういう人、いるー、と思わせるような人物を描くのが、獅子文禄はとても上手な作家です。
たとえばすばらしい美人であるわき子は、自分の美しさを完ぺきに認識する一方で、美人としてのたしなみも常に忘れない、嫌になるほど生真面目な、ちょっと面白くないタイプの女性です。
また妹のきわ子は、容姿はそれほどでない分、人あしらいがうまく、ざっくばらんな性格とコミュニケーション能力で世間(そして人生)をうまく渡っていくタイプの女性として描かれています。

女性同士の付き合いにときにみられる声に出さない「無言のやりとり」も獅子文六は嫌になるほど巧みに書いています。
例えば、自分の結婚と妹の縁談を無意識に比べ、より恵まれていない妹の縁談にこれまた無意識に賛成するわき子の姿。
一方で、中年に差しかかり、家庭生活が安定してきた妹のきみ子も、昔は感じなかった姉への優越感を
「姉ほどの美人でなくても、姉よりも幸福な現在を、掴んでいる」
と抱くようになります。

ユーモアーを感じさせるテンポのいい文体のおかげで、まろやかになってはいますが、互いの境遇を比べるふたりの無言のやりとりこそ「女の人生」だと思い知らされるようです。

獅子文六は、気難しいことで知られた作家でした。
登場人物の長所と短所が、的確に描かれている獅子文禄の作品を読むと、それもむべなるかなと思います。周囲の人の、時に隠したくなるような癖や特徴にこんなにも気づいてしまう人は、気難しくならざるを得ないと思うのです。そしてこれこそが獅子文六という作家の「才能」のひとつだったのでしょう。

朝ドラなみの人生を生きる二人の姉妹を追いながら、時折表れるイタ気持ちいい人物描写にツボを押され、なかなかページを閉じられない。
基本的にはハッピーエンドで、一気に読んでしまいたくなる面白さがありながら、鋭い人物描写のおかげで俗に流れない。
ジェイン・オースティンなどでも分かるように極上の通俗小説とはたぶんこういう本をいうのだと思うのです。

Amazonページ
獅子文六『ある美人の一生』1965年 講談社(ロマン・ブックス・現在版元品切)
獅子文六『ある美人の一生』1964年 講談社(単行本版・現在版元品切)
(本文冒頭の画像は、ソフトカバーのロマン・ブックス版です)

波のマフラー Wave Scarf

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新しいパターンをRavelryにアップしました。シンプルでやさしいステッチで作る「波のマフラー」です(無料パターン)。

写真のサンプルは、ホルストガーンのCoastを2本とパピーのキッドモヘア・ファイン1本の3本取りで編んであります。モヘアをひきそろえたおかげで、スモーキーでやわらかな波になりました。

複雑そうに見えるジグザグ模様ですがじつはとても簡単で、裏目と浮き目(針の前に糸を置いたまま左針から右針に目を移す…と書くと難しそうですが、目を編まずに移動させるだけ。詳しい編み方はココなど検索するとたくさん出てきます)をくり返すだけのステッチで出来ています。ちなみに編地の裏はほんのりとジグザグが見える裏編み(写真一番下)。

ジグザグ模様は、編んでいて飽きないように(マフラーは道が長い!)大きくしたり小さくしたり、ランダムに変化をつけてみました。編み図(チャート)もあるのでそれを見ながら、またアレンジを加えながら(短くしたり、カウルにしたりなど)自由に楽しんでいただけたらと思います。

パターンは間違いがないようできるだけ気をつけていますが、もし記述ミス、間違い(英文・日本語共に)などありましたら、コンタクトフォームからご連絡ください。

使用糸や針等の詳細情報は、ラベリーのサイトにあります。また無料パターンのダウンロードは、download nowをクリックして出てきたページの「download file」ボタンをクリックするか、以下の方法でできます。どんなものか見てみるだけでもOKなので、気軽にダウンロードしてみてください。

1.ラベリーの専用ページに飛び、画面右上の枠内にある「download」をクリック。ravelry_free

2.ポップアップで出てくる画面の「download PDF」の文字(英語版と日本語版2種類ありますので、お好みの方を)をクリックすればダウンロードが始まります。
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誕生日のぬいぐるみ

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おととしの夏、ぬいぐるみを編みました。フリー(無料)・パターンで作る、身長(?)20cmほどの小羊のぬいぐるみです。

パターンの作者はBarbara Primeさん。raverlyのデザイナー・プロフィールによりますと、カナダのモントリオールに住むBarbaraさんは、2006年、ご主人と一緒に彼女がデザインするぬいぐるみを扱うサイト「Fuzzy Mitten」を立ち上げたそうです。

彼女がデザインしたぬいぐるみは、このFuzzy Mitten Lamb以外にも、たくさんあります(ココで見ることができます)。「River Otter」(かわうそ)や「Alpaca with Bikini」(ビニキつきアルパカ)など、どれもつい編んでみたくなるかわいらしさ(有料パターン。すべて英文)。
おまけにこれらは「made from a Fuzzy Mitten™ original design」と記したものをつければ、作った人が自由に販売してもいいのだとか(Fuzzy Mittenサイトより)。すばらしい。

わたしはこのぬいぐるみを、娘の誕生日プレゼント用に作りました。でも日々のあれこれに追われていたせいで、作ろう! と決めたのは、前日の夜。
手元にあった材料をかき集め、焦りながら編み進めましたが、シンプルな作り方のせいもあり、思ったよりも早く(なんといっても、小さいですしね)翌日のお昼くらいには完成しました。

ちなみにこのぬいぐるみ、日本でおなじみのあみぐるみとは、作り方がすこし違います。
かぎ針で増減を繰り返し、立体的に編み進めることが多いあみぐるみに対し(ちなみに、この日本独特のあみぐるみは、海外でとても人気があり、「Amigurumi」という単語にもなっています)、これは棒針でパーツを平編みをし、できあがったものをとじ針で閉じて立体にしていくタイプ。
あみぐるみしか作ったことのなかった(それも、はるか昔に少しだけ)わたしにとって初の棒針「ぬいぐるみ」となりました。

その後、「ひつこ」(ヒツジの子だから、らしい)と名づけられたこのぬいぐるみは、娘の子どもになったようで(よって、わたしはままごとで「おばあちゃん」と呼ばれる羽目に…)、ほぼ毎晩、娘と一緒に寝ています。ぬいぐるみと寝るという習慣がほとんどなかった母からすると正直、びっくりですが、まあ、よかったよかった。
Barbaraさんに感謝です。

使用糸(うろ覚えですが):本体はリッチモア・パーセント(97)とシルクハセガワ・セイカ(019)の二本取り、顔&手足の先はパピー・ソフトドネガル(5229)。

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寒波

新サイト、何もなければ(それはつまり、娘がインフルエンザにかかったり、熱を出したり…とかたぶん主にそういうこと)来週29日(金)にアップしたいと思います。よろしくお願いいたします。

写真はあわせてリリースする予定のマフラー(無料パターン)。
ホルストガーンのコースト(2本)とパピーのキッド・モヘア・ファイン(1本)を使っています。ジグザグ模様が難しそうですが、初心者でも簡単に編めるやさしいステッチで出来ています。

ちなみにホルストガーン、現在デンマークの本家サイトで大セール中(一月いっぱい)。マフラー使用糸のCoast・Dove(サンプルは207g使用。ラムウール×コットン)もセールになっているので、よかったらぜひ(サイトはこちら。右上の国旗を英国にすると英語表示になります。わたしも何度か利用しました)。

他にもまとめておきたい(そうしないとたぶん忘れてしまいそうな)パターン、いくつかあるのですが一人出版社ゆえなかなか進みません。でもまあ、のんびりコツコツ楽しみながらやっていけたらと思っています。

それにしても急に寒くなってきましたねえ。今週末はまた寒波がくるとか(ぶるぶる)。
今夜は鍋です。

今日の晩ごはん(予定)
水炊き(豆腐とキノコをたっぷり入れる)、切り干し大根とほうれん草と人参のゴマ和え、お刺身(ブリ)、うどん、いちご。